日本人と中国語

言語の発音の考察

2013年11月13日 CATEGORY - 日本人と中国語

pronunciation

 今日は、言語の発音について一緒に考えてみたいと思います。

ランゲッジ・ヴィレッジでは英語と中国語の二言語を取り扱っていますので、母国語の日本語と合わせて、これら3つの言語の発音について考えさせられる機会が多くあります。
私たちがこの二つの言語の発音について考える際に真っ先に感じることがあります。

それは、英語はいわゆる日本人が発する「カタカナ英語」でもほぼ通じるのに対して、中国語は、「カタカナ中国語」では全くといっていいほど通じないという事実です。

極端な話、中国語では日本人の誰もが知っている「謝謝」(ありがとう)すら「シエシエ」では理解してもらえません。もう、その理解してもらえなさ加減といったら、嫌がらせではないかと思うくらいです。

この違いの理由を発音の数に求めようと、両方の言語の発音についてちょっと調べてみました。

まず、英語は
子音 24個
母音 20個 

そして、中国語は

子音 21個
母音 36個 

となっていました。もちろん、どちらも日本語の

子音 16個
母音 5個

に比べると圧倒的に多いですが、両者で比較するとそこまでの差はありません。
しかしながら、現実には先ほど言ったような差があるのです。

そこで、両者の違いをもう少し掘り下げて考えてみました。

hello title write in chineseそこで、わかってきたのが、「音節」という考え方です。

音節とは、「連続する言語音を区切る分節単位で、1個の母音を中心に、その母音単独で、あるいはその母音の前後に1個または複数個の子音を伴って構成する音声の聞こえのまとまりを言う」ものです。


ですので、音節を作り出すためには (子音)+母音 が必要となります。

中国語は日本語と同じように確実に音節をすべての音が作り出します。つまり、子音だけで存在するということがないということです。

それに対して英語では子音だけで音が存在するのです。

たとえば、taste これを、英語で音節分解すると taste(発音téist) となりたった1音節です。つまり、ta以外は音節に関係なく存在しているということです。

なぜ、ここで音節にこだわるのかというと、この音節が英語と中国語の発音の数があまり変わらないのに、中国語のほうが圧倒的に発音が難解であることの理由だと考えられる「イントネーション」(声調)に関係してくるからです。

上記のtasteの発音の表記のように英語にもイントネーションがあります。

これは一つの単語の中で一つの音節だけにあるものです。したがって、このtasteのように一音節だけだったらその単語のイントネーションの場所がわからなくても確実に当たります。すなわち、100%の確率で当たります。

二音節の単語だとしても50%の確率で当たるということになります。

英語では、三音節の単語というのはそこまで多くはありませんので、たとえ、イントネーションについていい加減であったとしても50%以上の確率でイントネーションについて正しく表現することができると言えます。

それに対して、中国語のすべての音は音節を作ります。これは、漢字一つに対して一つの音節があるということです。しかも、ご存じのとおり中国語には四声がありますので、一つの漢字ごとにイントネーションの正確さとして四択を迫られることになります。

すなわち、漢字二つで成り立つ単語であれば、25%×25%=6.25%の確率でしか当たらなくなってしまうという計算になります。

つまり、単純に言えば、発音の数はそこまで変わらない英語と中国語でも、イントネーション(声調)を考慮に入れれば、8倍以上もの差があると考えるべきかもしれません。

本来学習によって確実に習得するべき事柄ですので「当たる」とか「当たらない」とかいうような表現を用いるのはふさわしくないかも知れません。

しかしながら、私としてはどうしてもあの中国人の皆さんの「嫌がらせ」に近い「理解してくれなさ加減」を何とか理屈で理解したいと思ったのです。

これによって、日本人にとっての中国語の本質が見えてきたと思います。

日本人にとって中国語は、他の言語を母国語とする人々にとっては、意味不明な記号としか思えない「漢字」をすでに習得しているという意味でのアドバンテージと、発音の数が日本語よりも圧倒的に多い英語の8倍以上でなおかつ、ほとんど日本語には存在しないイントネーションが圧倒的に存在してしまうというディスアドバンテージを同時に抱えながら学習をしなければならない言語であると言えます。

このことをしっかりと踏まえた上でカリキュラム作りをするということが日本人にとっての中国語講座には絶対的に必要となってくることを改めて痛感したのでした。

*この意味で、中国語初心者が直接中国留学して世界中の学生と机を並べて行う授業だけは、特に日本人には受けていただきたくないと思います。