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日本人と中国語

前回の物語は・・・

2019年7月6日 CATEGORY - 日本人と中国語

皆さん、こんにちは。

前回の中国語の物語、どんなお話しかわかりましたか?

正解は・・・・

「カエルの王子様」でした。

それでは早速、日本語訳をどうぞ。

『遥か昔、人々の心の中の美しい願望は現実へと変わっていった。そんな羨ましい時代に、かつて一人の国の王がいた。王には何人もの娘がおり、みんなそれぞれに非常に美しかった。とくに彼の末娘は、天女のように美しく、見聞や知識のある太陽でさえ、彼女の顔を照らすたびに、彼女の美しさにうっとりとしていた。

国王の宮殿の近くには、うす暗い大きな森があった。この森の中にある一本の古い木の下には池があり、その池はとても深かった。暑い日には、王女はよくこの森に来て、涼しい池のほとりに座っていた。彼女はそこに座り、つまらなくなると、金の鞠を取り出し、空に向かって投げると、それをまた手で受けて遊んでいた。運悪く、あるとき、王女が二本の手を伸ばして金の鞠を取ろうとしたら、金の鞠は彼女の手には落ちずに、地面に落ちてしまった。そしてそのまま池の中に落ちてしまったのだ。王女は目を見開き、金の鞠を見たが、池の中に落ちた鞠はあっという間に見えなくなった。池の水はとても深く、底が見えない。王女は泣き出した。彼女の泣き声はだんだん大きくなり、悲しさでいっぱいになった。泣いていると、王女は突然誰かが大きな声で「おや、王女、どうしたんだい?こんなに泣いて、石でさえも悲しくなってしまうよ。」と言うのを聞いた。王女はこの声がどこから聞こえてくるのか知りたくてあたりを見渡すと、思いがけず一匹のカエルが水の中から気持ちの悪い大きな頭を出しているのを見つけた。

「あ、あなただったのね。水泳の名人さん。」王女はカエルに言った。「私がここで泣いているのは、私の金の鞠が池に落ちてしまったからよ。」

「わかった。大丈夫、泣かないで。」カエルは答えた。「ぼくは君を助けてあげることができる。もし君の金の鞠を拾ってこれたら、君はどうやってぼくにお返しをする気だい?」

「カエルさん、何でもほしいものをあげるわ。」王女は答えた。「私の服、私の真珠や宝石、頭に被っている金の冠、何でもあげるわ。」

この話を聞いて、カエルは王女に「君の服、君の真珠、宝石、それに金の冠、どれもぼくにはいらないよ。でも、もし君がぼくのことを好きなら、ぼくを君の友達にしてくれて、一緒に遊んだり、ごはんを食べるときにはぼくを君と一緒に一つのテーブルに座らせ、君の金の皿でものを食べさせ、君のワイングラスでお酒を飲ませ、夜は君のベッドに寝かせてくれ。もし君がこのことを全部受け入れてくれるなら、ぼくは池に潜り、君の金の鞠を拾ってこよう。」と言った。

「わかったわ、よかった。」と王女は言った。「あなたが私の金の鞠を拾ってくれるなら、あなたのすべての要求を受け入れるわ。」王女は口ではこう言ったが、心の中では、「このカエルは本当にバカね。うそよ!あんたは池の中で他のカエルとグワグワ鳴いている方がお似合いよ。人間と友達になんてなれるわけがないじゃない。」と思った。

カエルは王女の許しを得た後、頭を水の中につけると、すぐに池に潜っていった。間もなく、カエルが口に金の鞠をくわえ、水に浮かびあがってきて、草の上に吐き出した。王女は自分の大切にした玩具を見て、この上なく嬉しくなった。彼女は金の鞠を拾うと、すぐに駆けて行った。

「待ってよ!待ってよ!」カエルは大声で叫んだ。「ぼくを連れて行ってよ。ぼくはそんなに速く走れないんだよ。」

カエルは一生懸命に叫んだが、まったく役に立たない。王女はカエルが叫んでいるのを全く気にせず、まっすぐに家に帰ると、すぐに可哀想なカエルのことをきれいに忘れてしまった。カエルはピョンピョンとまた池に戻っていった。

次の日、王女は国王と大臣と食卓に座り、彼女の金の皿で食事をとり始めていた。突然、パタパタという音が聞こえてきた。その音にそって、何かが大理石の階段を跳ねて上がってくる。玄関につくと、ドアを叩きながら大声で叫んだ。「王女、早くドアを開けてくれ!」叫び声を聞いて、王女は急いで玄関まで走っていって、その声が誰のものかを確かめた。ドアを開けてみると、なんとあのカエルだった。入口の前できちんと座っている。王女はカエルをみると、急いでドアを閉め、身を引き返して席に戻った。とても怖かった。国王は王女が慌てている様子を見ると、「何をそんなに驚いているんだい?まさか外に巨人がいてお前を捕まえにきたわけではないだろう?」と聞いた。

「あ、違うの。」王女は答えた。「巨人とかじゃなくて、気持ちの悪いカエルよ。」

「カエルがお前に何の用事があるんだい?」「あのね、お父さん、昨日、私は森に行ったの。池のほとりに座っているときに金の鞠を池に落としてしまって、泣いていたら、カエルが私の代わりに金の鞠を拾ってきてくれたのよ。カエルが私の友達になりたい、って言うから私はそれに答えたの。でもまさか、池から出てきて、こんな遠い道を来るなんて。今彼は外にいて、私たちのところに入りたがっているのよ。」と、事の真相を話しているとき、またドアを叩く音とともに、大きな叫び声が聞こえてきた。

「王女よ、ぼくの愛すべき王女

はやくドアを開けてくれ!

君を愛する者が来たぞ

はやくドアを開けてくれ!

君は昨日のことを忘れたわけではないだろう

古い木の下の池のほとりで

池の水が深くて鞠が見えなくなったことを

君の口から言った約束を。」

国王はそれを聞くと、王女に「言ったことは守らなくてはならない。はやくドアを開けて彼を中に入れてあげなさい。」と言った。王女がドアを開けると、カエルはピョンピョンと中に入り、王女と一緒に席の前まで来ると、「ぼくを君の隣に座らせておくれよ!」と叫んだ。王女はそれを聞いて身震いしたが、国王はカエルの言う通りにさせた。

カエルは椅子の上に座らされると、不満げに、テーブルの上に乗りたがった。テーブルの上に乗ると、「君の金の皿をもう少し寄せてくれないか。これでぼくたちは一緒に食事ができるぞ。」王女は、そんなことはしたくなかったが、仕方なく彼女の金の皿を引き寄せた。カエルはそれは美味しそうに食べたが、王女はまったく食欲がわかない。

しまいには、カエルは「おなかがいっぱいになったら、少し疲れてきたな。君の寝室に連れて行って、君の布団をかけて一緒に寝よう。」と言った。

王女はこの冷たいカエルが怖くて、触るのも嫌だった。それなのに自分の清潔できれいなベッドに寝たいと聞いて、泣き出してしまった。

国王は王女のこの様子を見て、怒りながら言った。「困っているときに助けてくれた人には、たとえ誰であれ、差別をしてはならない。」

そこで、王女は二本のきれいな指でカエルをつまむと、寝室の角に置いた。しかし、彼女がベッドに横になると、カエルはベッドの傍までやってきて、「ぼくも疲れたよ。ぼくもベッドの上で寝たいよ。ぼくを乗せておくれ。じゃないと君のお父さんに言いふらすぞ。」と言った。

それを聞くと王女は我慢ができなくなり、カエルを掴むと、壁に向かっておもいっきり投げつけた。

「寝たいなら寝なさい。この不細工で気持ちの悪い奴!」

誰が想像していただろうか。カエルが地面に落ちると、なんとそれはもうカエルではなく、一人の王子に変わっていたのだ。目が輝き、顔いっぱい笑みを浮かべた王子ではないか。このときはじめて、王子は王女に実は意地悪な魔法使いに魔法をかけられ、王女以外には誰も彼を池から救い出すことができなかったことを明かした。そこで、国王の指示に従い、彼は王女の親密な友達となり伴侶となり、明日、二人は彼の国に戻ることになった。次の日の朝、太陽が山にのぼると、八頭の馬を従えた大きな馬車が玄関に停まっていた。馬の頭にはきれいな羽毛が挿してあり、ゆらゆらと揺れていた。馬の体には金に輝く馬具が付けられていた。馬車の後ろには王子の忠実な家来であるハインリヒが立っていた。ハインリヒは主人がカエルに変えられてしまった後、悲しみに暮れ、自分の胸に三本の鉄の帯を着け、悲しみで胸が張り裂けないようにしていた。

馬車は若い王子を国に帰すために迎えにいった。忠実なハインリヒが主人と王妃を馬車に乗せると、自分はまた馬車の後ろに立った。二人は出発して間もなく、突然パキパキという何かが裂けるような音を聞いた。途中、パキパキという音は何度か聞こえ、その音が聞こえる度に二人は馬車の何かが壊れたのではないかと思っていた。実はそんなことはなく、忠実なハインリヒが主人の幸せそうな姿を見て、喜びにあふれ、胸に着けていた鉄の帯が一本一本外れて落ちたのだった。』

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